誰もが利用しやすいサービスの提供を目指し、様々な障害のある方の希望をふまえたサポートを提供しています。
取組の概要
(1)接客/非接客部門の社員を対象とした体験型研修やセミナーの実施
「心のバリアフリーセミナー」を開催し、障害のあるアスリートや学識経験者、車いす使用者など多様な講師から幅広い視点を得ているほか、接客部門は部門独自の実技研修がありますが、非接客部門約19,000名の社員を対象に「ユニバーサル実技研修」を実施し、様々な方へのサポート方法などを習得しています。
(2)発達障害のある方に配慮した情報提供や体験搭乗プログラムの開催
慣れない環境に不安がある発達障害の方に配慮し、事前の準備に活用できる「そらぱすブック」と疑似体験できるビデオを作成しました。また、グループ会社も含めた空港や客室等の統括部署がプロジェクト形式により、発達障害のあるお子様と御家族を対象に、実機を使用した搭乗体験プログラムを国内で初めて統括部署がプロジェクト形式により実施しました。
(3)「ユニバーサルなサービス」の実現に向けたハード面の継続的な改善
誰もが利用しやすいサービスを提供すべく、一人ひとりの御希望に沿ったサポートを行うとともに、チェックインカウンターのローカウンター化、ラウンジのユニバーサル対応などの取組も進めています。
アピールポイント
「ユニバーサルなサービス」のマインド、知識、気づきを醸成するために、全社員を対象とした複数の研修を実施しています。機内で提供するエンターテイメントプログラムに音声や字幕を付けるなどの情報保障等、様々なサポートを提供している中で、特に、発達障害のある方や御家族の声に応えた取組は日本国内における先進的事例です。
(1)社会のバリアに気づく
「心のバリアフリーセミナー」を2015年から9回にわたり開催し、様々な障害のある講師から気づきを得ているほか、車いすの操作を含む実技研修を通じ、社会バリアに対する社員の応対力向上に努めています。
(2)コミュニケーションをとる
「ユニバーサル実技研修」では、サポートが必要な方の多様性や特性を理解して適切な応対ができるよう、同伴者ではなく御本人への声掛けや、筆談の実習を行うことで伝わりやすいコミュニケーションの方法を学び、相手の気持ちに寄り添った応対ができる社員の育成に努めています。
(3)適切な配慮を行う
機内誌の点字化と朗読音声の収録を25年以上続け、お客様から高い評価を受けています。また、空港係員や客室乗務員を対象に手話講座を開催し、空港の手続きカウンターや搭乗口、機内でよく使うフレーズを学んで、手話による情報保障に取り組んでいます。
社員の声
発達障害のある方向けの体験搭乗プログラムは、障害のある方と御家族の意見を踏まえ、関連団体の協力を得て開始したものです。実機を利用するのは簡単ではありませんが、できるだけ実際の環境に近いものをと考え、実現に至りました。今後も、お客様の気持ちに寄り添ったサービスの提供を続けていきます。
福祉のまちづくり推進協議会委員の講評
全社的な「心のバリアフリー」の理解促進を継続しており、とりわけ発達障害に焦点を当てた先進的な取組を実施しています。今後は、多様な利用者からの評価を的確に把握する仕組みを一層工夫することを期待します。