全社を挙げて障害者とのコミュニケーションとユニバーサルデザインを推進し、あらゆる人に配慮した製品やサービスを提供しています。
取組の概要
(1)障害者等とのコミュニケーション促進に向けた社員研修の実施
本社及びグループ会社の社員を対象に、聴覚障害者とのコミュニケーションに関する集合研修とE-ラーニング研修を2004年から実施ししています。集合研修では、聴覚障害のある社員と交流したり、手話講習や疑似体験を取り入れ、聞こえないという状況を健常者が深く理解できるよう工夫しています。また、障害者やLGBTに対する理解を深めるための当事者による講演会を社員対象に実施しています。
(2)社内横断型のプロジェクト体制でユニバーサルデザインを推進
2009年設立の「全社ユニバーサルデザインプロジェクト」に各事業部の幹部が参加し、あらゆる人が使いやすい製品やサービスの提供に取り組んでいます。また、「ユニバーサルデザインガイド」を作成し、一般にも公開しています。
(3)障害者スポーツの認知拡大や多様性理解を推進する活動の支援
障害のあるアスリートの写真を掲載したグラフィックマガジンの制作協力や、障害者スポーツの広報活動を支援する学生への撮影機材貸し出し、障害者スポーツ大会における写真撮影など、写真を媒体とした啓発を行っています。
アピールポイント
1993年の車いす使用者にも使いやすい昇降式複写機販売に始まり、視覚障害者のニーズをふまえたオフィス複合機など、多様なユーザーを意識した製品開発を長年にわたり継続しています。障害者団体と協働で検証を重ねると同時に、「使う人の姿を美しく」をキーワードにバリアフリーの概念を推し進めています。
(1)社会のバリアに気づく
「ユニバーサルデザインガイド」は身体的な要素以外にも、認知や感情など多様な制約について理解を促し、できるだけ多くの工夫や対策が必要であることを啓発しています。障害の有無だけでなく、様々な要因がバリアとなる場面があることを分かりやすく表現し、気づきにつながる内容となっています。
(2)コミュニケーションをとる
誰もが働きやすい職場環境の実現に向けて、視覚障害のある社員が講師となり、視覚障害者とのコミュニケーションに関する集合研修を2018年から実施しています。また、大田区の「高齢者ふれあいフェスタ」に協力するなど、地域イベントを通じた交流も進めています。
(3)適切な配慮を行う
色弱者の当事者団体や点字図書館などと協力し、多様な視覚障害者の参加を得るなど、製品開発にあたっては、ユーザビリティの検証評価を行い、当事者の視点を反映しています。
社員の声
多様性理解を深めるための社員対象の活動を拡充する中で、当事者と接する機会を設けることの大切さを感じており、障害者スポーツの大会観戦や体験会など、社員の家族や知人の参加も歓迎するイベントを企画・展開しています。また、現在は内閣官房の研修プログラムなどをベースとした全社員対象の研修を社員が協力して作成しています。
福祉のまちづくり推進協議会委員の講評
当事者による研修企画や製品のユーザビリティの検証評価に力を入れています。今後は、研修実施にあたり社会的障壁の理解を促進する観点から更なる工夫を加え、機器開発等に生かす取組を期待します。