東京おもちゃ美術館や全国の医療機関などで、年齢や障害の有無に関わらず、全ての人が楽しめる活動を展開しています。
取組の概要
(1)スタッフやボランティアを対象に研修を実施
スタッフや、ボランティアとして活動している「おもちゃ学芸員」が、高齢者や障害者に対する理解や心づかいに関する研修を受け、全国各地で行われる「移動おもちゃ美術館」などのイベントでも多様な参加者をサポートしています。
(2)障害のあるお客様や乳幼児連れに配慮したサービス
視覚障害のある方に触覚や聴覚を通じて楽しめるおもちゃを紹介する、発達障害のある方にもわかりやすいイラスト集を活用するなど工夫をしています。乳幼児やその御家族が安心して遊べる環境も整備しています。
(3)病児や障害児におもちゃ遊びを提供
全国の医療機関に「ホスピタル・トイ・キャラバン」を派遣し、病児の遊びを支援しています。また、難病や障害のある児童と御家族のために東京おもちゃ美術館を貸切にする「スマイルデー」を開催しています。
アピールポイント
「芸術」「遊び」「おもちゃ」という普遍的価値をすべての人が楽しめるように、接し方や声かけ、活動の内容に工夫をしています。東京おもちゃ美術館では、障害者や幼児とその家族が安心して楽しめるよう、ハード面とソフト面の配慮が提供されており、近隣の店舗等でも取組が進むなど、地域への好影響も見られています。
(1)社会のバリアに気づく
スタッフやボランティア、会員が、ユニバーサルデザインに関する講座や障害のある講師による講演を受講することで、社会に存在するさまざまなバリアへの気づきを促進しています。
(2)コミュニケーションをとる
発達障害のある来館者とのコミュニケーションのために、見て分かりやすいイラスト集(ポケットカード)を館内に配置する、様々な障害の特性に配慮した声かけや応対を実践するなど、コミュニケーションの促進に力を入れています。
(3)適切な配慮を行う
来館者には、幼児、障害者、高齢者、その家族が多く、日常的に個々の方に適した配慮を実践しています。例えば、視覚障害者には感触の違いや組み立てを体験できるおもちゃを紹介するなど、できる限り、他の来館者と同じように楽しめるよう工夫しています。
職員の声
お子様連れの方や障害のある方がお越しになりやすいよう、最寄の駅にエレベーターの設置を働きかけました。今では、多くの方が利用されています。また、来館者が訪れることの多い飲食店で、ベビーカーでも入りやすいような配慮がされるなど、少しずつ地域にも変化が見られるようになってきました。
福祉のまちづくり推進協議会委員の講評
おもちゃを通して様々な利用者と接するなかで、自然な形で、利用者同士、利用者と職員の「心の垣根」が取り払われています。今後は、社会的障壁の理解が、おもちゃ製作者の開発の気づきに繋がることを期待します。