「学ぶ」「感じる」「行動する」の3つのステップを体系的に実践するための「ソーシャル・インクルージョン・プログラム」の推進により、誰もが安心して暮らすことができる住まいづくりを進めています。
アピールポイント
研修を通じて障害のある方とのコミュニケーション知識を向上させるだけでなく、実際に街へ出かけてバリアフリー調査を行う行動を実施することで、従業員自身が実業務で建築物を設計する際の新たな気づきや、多様なお客さまへの柔軟な対応の実現に役立っています。
取組の概要
(1)障害のある講師からリアルに「学ぶ」ユニバーサルデザインに関する研修
障害のある方を講師に招き、当事者としての経験を聞き、障害のある方との向き合い方について学習しています。講義を受けるだけでなく、障害のある従業員とのコミュニケーションや、障害のあるお客さまへの対応といった実際の業務に活かすことができる従業員を育てています。
(2)街にあるバリアを自ら体験して「感じる」ブレーメンの調査隊活動
従業員が、車椅子や高齢者体験キットを装着して、実際に街へ出向き、地域のバリアフリー状況について調査する「ブレーメンの調査隊活動」を行っています。調査で知り得たバリアフリー情報は専用のアプリを使って発信することで、研修の枠に留まらず、実際に情報を必要としている方々に情報を届けています。
(3)学び感じるだけでなく「行動する」ユニバーサルマナーブースへの協力
全国で実施されている様々なスポーツ大会やコンサートなどのイベントで、来場された障害のある方や高齢の方に、会場の説明や案内などのサポートを行うボランティアに協力しています。研修で学んだ内容を実際の活動として実践することが、従業員の成功体験につながり、心のバリアフリーの理念を根付かせています。
「心のバリアフリー」実践のための3つのステップ
(1)社会のバリアに気づく
建築物の設計に携わる従業員が、街のバリアフリー状況の調査に取組むことで、実務において、バリアフリーに関する建築物の設計基準を満たすことはもちろん、細かい社会のバリアにまで気づくようになり、多様な方の使いやすさを考えて設計に反映するようになりました。
(2)コミュニケーションをとる
障害のある従業員が適性に応じて様々な部署に配属されており、共に働く環境であることから、「ソーシャル・インクルージョン・プログラム」により得た知識や経験を生かしてコミュニケーションを図り、個々の従業員の特性に対する理解を深めています。
(3)適切な配慮を行う
研修で適切な配慮の方法を学んだ従業員が、スポーツ大会やコンサートなどのイベント会場で、ボランティアとして説明や案内などのサポートを行うことで、その方の希望に応じた配慮ができるようになり、業務における柔軟な対応につながっています。
福祉のまちづくり推進協議会委員の講評
社員の調査活動は、これまで意識していなかった街のバリアに気づき、その視点を設計に活かすことできる取組です。より多くの社員がプログラムに参加し、心のバリアフリーの視点を日常業務に活かしていくことを期待します。