空港アクセスを担う会社として、バスを利用する全てのお客様に「親切・丁寧・礼儀正しい」サービスを提供できるよう、ハード・ソフトの両面からバリアフリー化を推進しています。
アピールポイント
現場で勤務する従業員は、新任のうちに心のバリアフリー研修の基礎編やサービス介助基礎研修を受講するほか、全従業員が定期的に心のバリアフリー研修を受講するようプログラムを組んでおり、全ての従業員が心のバリアフリーを意識できるような体制を整えています。
取組の概要
(1)全社的な取組の実践
バリアフリーに関する研修は全役職員を対象に年30回以上実施しており、勤務体系の異なる現場の従業員が必ず受講できるよう年間計画を策定しています。また、年2回のサービス強化月間には、社長及び役員による現場の巡回や、素晴らしいサービスを行った従業員に対する表彰を行っています。
(2)研修のスパイラルアップの実施
研修後には必ずアンケート調査を行い、従業員の満足度や理解度を数値化することで次回以降の講師の選定やレベルの設定を行っています。従業員の興味・関心の高い内容となるよう努めているほか、研修を繰り返すことで従業員の社会のバリアに対する気づきの向上を図っています。
(3)コミュニケーションノートの活用
聴覚に障害をお持ちの方や外国の方とのコミュニケーションを円滑にすることを目的に、様々なピクトグラムを印刷した会社オリジナルのコミュニケーションノートを作成し、全ての車両に搭載しています。
「心のバリアフリー」実践のための3つのステップ
(1)社会のバリアに気づく
心のバリアフリー研修では障害当事者である車椅子ユーザーや外国人等を講師に招いており、日常生活や同社のバスを利用した感想について講演をしていただき、当事者の体験を従業員がより身近なものとして捉えられるようにしているほか、業務で使える手話や車椅子の取扱方法等を取り上げています。
(2)コミュニケーションをとる
バスに搭載しているコミュニケーションノートは、筆談具としてメモ帳を使用していた乗務員から「外国人利用者とも簡単にコミュニケーションがとれるよう、指差しなどで対応できるものが欲しい」という意見を受けて作成しました。今では、乗務員と多様な乗客とのコミュニケーションツールの1つとして活用されています。
(3)適切な配慮を行う
エレベーター付きバスの導入に際しては、障害当事者団体等との意見交換を行いながら車両メーカーと開発を進め、エレベーターに鏡を設置するなどの配慮を行いました。また、乗務員の目が届きやすい車両最前部の座席を優先席とし、移動や歩行が困難な乗客に配慮しています。
福祉のまちづくり推進協議会委員の講評
全ての従業員が心のバリアフリーを意識できる研修体制を整え、特に新任に対しては心のバリアフリーを身に付けてから現場に出すなど徹底した姿勢がうかがえます。今後は空港ビル会社等との連携をさらに強化して取組が企業外に波及することを期待します。