アピールポイント
当社ではD&Iを重要な経営戦略と位置づけ、多様な人材がそれぞれの個性や能力を発揮し、活躍できる環境づくりを行っています。全社を挙げて障がいの理解とコミュニケーションを促進し、社外向けにはエンジニアによる学生IT教育の実施など社会貢献にも取り組んでいます。
取組の概要
(1) 障がい理解と働きやすい職場づくりの取組
障がいへの理解を深め、すべての社員が共に働くための意識醸成を目的とした「心のバリアフリー研修」を開催し、2027年までに全社員の受講を目指しています。また、障がいのある社員同士で、悩みの共有や情報交換ができるコミュニティの開設、12月の「障害者週間」には当事者の社員同士が交流する「チャレンジドサミット」を開催し、社員同士のつながりを深めています。
(2)聴覚障がい者と共に働くためのマニュアル「ツナガル・ブック®」
働きやすい職場づくりを目指し、聴覚障がいのある社員が中心となり「ツナガル・ブック®」と「ツナガル・シート」を作成しました。これは、聴覚障がい者との相互理解を図るため、仕事上のノウハウに加え、当事者が抱える心理状況も解説したマニュアルです。社外の聴覚障がい者にも監修していただきました。また、聴覚障がい者が社会で安心して働ける一助となることを願い一般公開しています。
(3)エンジニアが挑む、プログラミング教育のバリアフリー
当社の技術者育成組織「ソフト道場」を支援する各組織のプロフェッショナルエンジニアが中心となり、社会貢献として、学校向けのプログラミング教育やキャリア教育を行っています。この経験を活かし、社員発案により、2023年からは聴覚障がいのある学生向けのスマホアプリ開発教育を開始し、2024年には生成AIを活用したアプリ開発体験と職場見学を実施しています。
「心のバリアフリー」実践のための3ステップ
(1)障害の社会モデルの視点でバリアを理解する
「心のバリアフリー」研修は、障がいの理解のための説明に加え、当事者の体験談や障がいの疑似体験を行い、最後に行動宣言を行います。「困っている人を見かけたら、気負わず声をかけます」といった声もあがり、参加した社員の意識が高まり、支援の輪がひろがっています。
(2)コミュニケーションをとる
障がいのある当事者同士をつなぐコミュニティや、障がいのある社員と周囲の社員が集まり共に働きやすい職場を考えるコミュニティがあります。また、社内には育児・介護・LGBTQ+のALLYなど様々なコミュニティがあり、活発な情報交換や意見交換をしています。
(3)適切な配慮を行う
社内の会議や説明会では、聴覚障がいのある社員が参加する際に、Web会議ツールの文字起こし機能を活用しています。変換ミスや誤字が生じることもあるため、周囲の社員がチャットで情報を補正し、聴覚障がいのある社員が内容を把握しやすくなるようサポートしています。

「ツナガル・ブック®」

エンジニアによるプログラミング教育
福祉のまちづくり推進協議会委員の講評
社員を対象とした研修のほか、障害のある社員が中心となってコミュニケーションマニュアルを作成・公開するなど多様な人材が活躍できる環境づくりを積極的に取り組んでいます。小学校や高校、聴覚障害のある学生向けのプログラミング教育など、自社の強みを活かした社会貢献にも取り組んでおり、さらなる展開に期待します。