共生社会の実現を目指し、建設業に携わる企業として、共用品・共用サービスの普及に努め、障害の有無に関わらず、より多くの人々が利用しやすい施設整備を行っています。
アピールポイント
「全ての従業員が仕事で活躍できる企業風土の構築」を基本方針とし、従業員にとって働きがいのある会社を目指しています。従業員が自ら作成した「大和リースの思いやりハンドブック(視覚・聴覚障害者編)」は、障害を知り、お互いを理解できるよう、職場だけでなく、社会でも活用できるツールとなっています。
取組の概要
(1)インクルーシブデザインを採用した施設整備
2019年9月に、豊島区より賃貸借契約にて設計・施工、維持管理・運営の業務を受託し、整備した「としまキッズパーク」が開園しました。車椅子でも遊べる砂場や親子で乗れる背もたれのついたブランコ等を設置し、障害の有無に関わらず、全ての子供たちが一緒に遊べる公園となっています。
(2)「公益財団法人共用品推進機構」への賛助会員加入
障害の有無、年齢の高低に関わらず、使いやすい製品・サービスとして「共用品・共用サービス」を推進している公益財団法人共用品推進機構の賛助会員に加入しています。当社が共用品・共用品サービスを含むデザインの先導的な役割を担うべく、普及に努め、より多くの人々の使いやすさにつながるよう発信していきます。
(3)大和リースの思いやりハンドブック(視覚・聴覚障害者編)を全社へ展開
このハンドブックは多様な人財と共に働くことに着目し、障害(視覚・聴覚)のある従業員が何に困り、職場でどのようなサポートを必要としているかの声を聞き、周囲の従業員に伝えるために作成されたものです。冊子化にあたっては文字や色使いについて、ユニバーサルデザインを考慮し、カラーユニバサールデザイン(CUD)認証を取得しています。
「心のバリアフリー」実践のための3ステップ
(1)障害の社会モデルの視点でバリアを理解する
大型プロジェクトの建設現場事務所に共用品アイテムを設置し、従業員や来場者体験の場を提供しました。また専門家を招いた意見交換会を定期的に開催し、障害の特性別に使いやすさや不便さを顕在化し、アイテムリストに取りまとめ、設計時に有効活用しています。
(2)コミュニケーションをとる
視覚・聴覚障害について知ってもらうための手段として、従業員がグループで「思いやりハンドブック」を作成しました。さらに冊子化によって、共に働くために必要なコミュニケーションについて一人一人が考え、理解し合い、「思いやり」をもって誰もが生き生きと活躍できる職場環境作りを進めています。
(3)適切な配慮を行う
障害の有無を問わず、多くの人にとって判別しやすく、分かりやすい「UDフォント」を活用(社内通達等)しています。また、聴覚障害がある従業員に「UDトーク」を導入・配付しています。UDトークでの会話は、同時に笑い合うことができ、「一緒に笑う」という些細なことが大切なのだと気付くことができました。
福祉のまちづくり推進協議会委員の講評
全従業員対象の研修や視覚・聴覚障害に関するハンドブックの作成など、従業員へ心のバリアフリーを浸透させる姿勢がうかがえます。心のバリアフリーが更に根付き、様々な事業展開で発揮されることを期待します。