アクセシブルツーリズム推進の専門部署を設置し、安心・快適な旅の提供サービスの充実を図り、誰もがストレスフリーで参加できるアクセシブルツーリズムの実現を目指しています。
アピールポイント
年齢や障害の有無に関係なく、国内外の旅行商品では心配、要望などを伺い、お客様に寄り添った旅の手配を長年にわたり行い、多くの方に御利用いただいています。旅を諦めずに、誰もが旅を通して元気に、安心して楽しんでいただける「旅の提案」に全社一丸となって取り組んでいます。
取組の概要
(1)「心のバリアフリー」の理解を深めるため充実した社内教育を実施
「心のバリアフリー」の理解を深めるため、JALグループ全社教育とは別に、車椅子の試乗体験、高齢者や視覚障害者の体験グッズを利用した独自の教育を行っています。高齢のお客様や障害、慢性疾患のあるお客様への気付きを得て、日常的にコミュニケーションが取れる魔法の言葉「お手伝いいたしましょうか」を伝えています。サービス介助士やユニバーサルマナー検定の取得も推進しています。
(2)様々な専用ツアー(アレルギーのお子様や車椅子利用者対象)の提供
2017年にお客様の声から生まれた「10品目低アレルゲン対応の沖縄ツアー」や車椅子利用者を対象としたハワイや北海道(スキーツアー)など様々な専用ツアーにも取り組み、現地ハワイや国内の観光、宿泊施設などの各関係先とも連携を取りながら、お客様の要望を叶えるように、旅先の様々なバリアと向き合い、解決方法を考え、お客様の笑顔に出会える旅の提案、手配を行っています。
(3)サステナブルな新しい旅の提案への取組
飛行機を利用した旅をまだ経験されていない高齢の方や障害のある方の「旅への障壁」を排除し、行けるところを探すのではなく、誰もが行ってみたい場所へ安心して旅をして、楽しんでいただけるような旅の選択肢の充実を目指します。旅行中のプランの提供や専用HPの改善など情報の発信にも力を注いでおり、東京都のポータルサイト「だれでも東京」との連携も行っています。
「心のバリアフリー」実践のための3ステップ
(1)障害の社会モデルの視点でバリアを理解する
身近な障害のある社員から必要な配慮を聞いたり、車椅子利用の社員が講師となり、日常生活や仕事上での困りごとを伝えたりすることで、社員が意識していなかったバリアへの気付きを促進しています。それは、ツアーを企画する際のバリアの意識と解消の視点にもつながっています。
(2)コミュニケーションをとる
お手伝いを希望されるお客様のご旅行相談専用ダイヤルを開設し、お客様が旅を楽しんでいただけるように、要望や心配なことを具体的に伺い、一人一人のお客様に寄り添った応対ができるように社内人財育成を行っています。聴覚障害の社員による手話学習も毎月の朝礼で行っています。
(3)適切な配慮を行う
「心のバリアフリー」の理解は海外スタッフにも浸透し、ハワイではトイレ事情の詳細を専用サイトで案内するほか、電動車椅子レンタルも導入しています。沖縄では島内観光「JALうたバス」でリフト付き車両を導入しました。社内朝礼やセミナーでは字幕で聴覚障害の社員への対応を行っています。
福祉のまちづくり推進協議会委員の講評
従業員に心のバリアフリー教育を実施することで、アクセシブルツーリズムを推進するほか、外部連携にも取り組んでいます。研修コンテンツを発展させ、ツアー商品のさらなる充実や開発につながることを期待します。