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日本交通株式会社

ユニバーサルデザイン車両の導入に伴い、全社員がバリアフリー研修を受講するなど、日常からタクシー輸送のバリアフリー化に貢献しています。

アピールポイント

 ユニバーサルデザイン車両の導入とサービスメニューの充実により、多様化する移動ニーズに応えています。さらに、それを支える乗務員の人材育成、接客接遇スキル、ホスピタリティの向上にも力を注ぎ、利用者に寄り添ったバリアフリーな社会インフラの提供を目指しています。

取組の概要

(1)ユニバーサルデザイン車両の導入とそれに伴う社員研修の実施

 2017年よりユニバーサルデザイン車両「JPN TAXI(ジャパンタクシー)」を導入し、2020年には直営事業所で全車の置き換えを完了しています。同時に各事業所で車椅子乗降研修を実施し、乗務にあたっては受講を必須としました。2018年からは新入社員研修の中に独自の車椅子乗降・高齢者対応プログラムを組み込んで、意識とスキルの向上を図っています。

(2)妊婦さん向け「陣痛タクシー」サービスの提供と助産師講習の実施

 2012年に開始された都内初のサービス「陣痛タクシー」は、お迎え場所・かかりつけ病院・出産予定日などを事前登録することで簡単にタクシーを呼ぶことができます。入社時に全乗務員へ助産師監修の講習を受講させ、妊婦さんの気持ちに寄り添うホスピタリティを育成しています。また全乗務員での対応を可能とすることで、近くのタクシーが素早くお迎えに向かえる体制を整えています。

(3)EDS「キッズタクシー」「サポートタクシー」サービスの提供

 2011年開始のEDS(エキスパート・ドライバー・サービス)は、全社員から選抜された精鋭乗務員が行う、専門的なタクシーサービスです。「キッズタクシー」は乗務員が小児救急救命資格等を持ち、学校・塾、産後退院、お宮参りなどお子様向けの送迎を行います。「サポートタクシー」は乗務員が介護職員初任者研修等の資格を持ち、高齢者、体の不自由な方のお出かけをお手伝いします。

「心のバリアフリー」実践のための3ステップ

(1)障害の社会モデルの視点でバリアを理解する

 入社時の研修プログラムから、車椅子の乗降、高齢者への対応、妊婦さん送迎などの講習を組み込み、タクシーは単なる移動手段ではなく社会的使命があることへの理解を深めています。そのような取組がさらに、ホスピタリティ意識の高い人材を集める循環を生み出しています。

(2)コミュニケーションをとる

 日々の改善課題、業務ノウハウ、成功体験などの共有に、グループウェアなどのIT技術を活用し、勤務時間の異なる社員間のコミュニケーションを図っています。運行管理者からの個別指導、乗務員同士でのノウハウの水平展開等を通じ、サービスの維持・向上が図られています。

(3)適切な配慮を行う

 介護資格や救命講習などより高度な資格の取得を推奨し、それらを取得した乗務員は専門的なサービスに従事できるよう社内のキャリアアップ制度を整え、社員のモチベーションアップ、意識啓発を図るとともに、サービスの拡充、多様なニーズへの柔軟な対応につなげています。

画像 JPN TAXIを用いた車椅子乗降の社員研修
JPN TAXIを用いた車椅子乗降の社員研修
画像 「陣痛タクシー」運行の様子
「陣痛タクシー」運行の様子

福祉のまちづくり推進協議会委員の講評

多層的な従業員教育とサービス提供により、多くの方が円滑に移動できるまちづくりに貢献しています。同業他社に対してもノウハウを共有するなど、業界全体の心のバリアフリーを先導していくことを期待します。

日本交通株式会社

所在地:東京都千代田区紀尾井町3番12号

WEB:http://www.nihon-kotsu.co.jp