介助犬を引退した「ケイ君」を特別社員「心のバリアフリー大使」に任命し啓発活動を実施しているほか、社員向けセミナーや定期的な情報発信など、積極的に心のバリアフリー推進活動を実施しています。
アピールポイント
特別社員「心のバリアフリー大使」ケイ君の活動を中心に、心のバリア・共生社会を考えるきっかけづくりをしています。ケイ君との触れ合いやデモンストレーションを実施しているほか、セミナーやデジタルサイネージで「心のバリアフリー」についての情報を発信し、啓発活動を行っています。
取組の概要
(1)特別社員「心のバリアフリー大使」ケイ君による啓発活動
介助犬を引退した「ケイ君」を特別社員「心のバリアフリー大使」に任命し、本社ビルや首都圏の他事業所で触れ合い活動やデモンストレーション、昼休憩時に盲導犬の歩行体験などを行い心のバリアフリーの啓発活動に取り組んでいます。社員が補助犬やバリアフリーの理解を深めることにつながっています。受付横でも活動し、社員だけでなく来社されるお客様にも補助犬について知っていただく機会となっています。
(2)心のバリアフリーに関する情報発信
全国の事業所にあるデジタルサイネージ(各階エレベーター前や社員食堂に設置)で、補助犬の仕事や障害者への声掛けの仕方などを発信し、エレベーター待ちや昼休憩の時間を学びの時間にしています。その他、イントラネットでケイ君や補助犬の動画を発信、社内報に補助犬に関するコラムを掲載するなど、定期的に情報を発信しています。
(3)社員向けセミナーの実施
セミナーでは障害当事者で補助犬と共に生活する方や訓練士の方を講師に招き、障害を持つ方への声掛けやサポート方法を学習しています。参加者がアイマスクをして盲導犬に誘導してもらう、車椅子で段差を乗り越えるコツを学ぶ実習など、体験型の講習も行っています。また新入社員教育として、入社式後の環境・社会貢献活動紹介ではケイ君も登場し、心のバリアフリーを説明しています。
「心のバリアフリー」実践のための3ステップ
(1)障害の社会モデルの視点でバリアを理解する
実際に補助犬(介助犬・盲導犬・聴導犬)と触れ合い、補助犬の役割を知ることで当事者の困りごとを理解することができています。またケイ君と実際に触れ合えない社員に対しても情報が届くよう、毎月心のバリアフリーに関する情報を社内で発信し、社員の理解向上につなげています。
(2)コミュニケーションをとる
セミナーでは障害当事者の講師によるサポート方法の説明や補助犬と共に行う体験型の講習を行い、参加者に気付きを促しています。またケイ君が出社した際に、来客対応中の社員がお客様に取組を紹介している姿も見受けられ、少しずつ認知を深めています。
(3)適切な配慮を行う
障害のある社員へ、「障害者職業生活相談員」の資格を持った社員による定期的な面談やアンケートを実施し、より良い環境で就業できるよう配慮しています。また、理解を深めた社員がお客様や取引先と接する際に、その方の希望に応じた配慮を行えるようになってきました。
福祉のまちづくり推進協議会委員の講評
日本補助犬協会と連携して心のバリアフリーの普及推進活動を実施しています。「心のバリアフリー大使」をきっかけとして、従業員がより多くのバリアに気付き、様々な業務の中で心のバリアフリーが実践されていくことを期待します。